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Front Dental Clinic

インビザラインで治療できる症例、できない症例ってどんなの?

 こんにちは、歯科医師の戸澤です。
インビザラインは透明のマウスピース(アライナー)を装着して歯並びをきれいにする治療方法で、インビザライン独自の研究と改良を続けながら様々な歯の動きを可能にしています。それにより適用となる症例が増えていることも事実です。しかし残念ながら、すべてのケースを必ず治せるということではありません。今回はインビザラインで治療できない症例や、治療できない場合のワイヤー治療を併用した治療方法などをご紹介します。

1 インビザライン治療のための検査

 インビザラインをご希望された患者さまには、まず虫歯や歯周病の検査以外にもレントゲン撮影(CT、セファロ)や、顔貌写真、口腔内歯列の歯型の撮影を行います。ここで行われるCT撮影などにより、歯の根の状態、その周りに存在する骨の厚みなどを計測することが可能なため、歯を動かせる範囲や動かせない歯を特定することなどが可能です。これらのデータをもとにシミュレーションを行い、患者さまに具体的な治療内容や期間、マウスピースの枚数、治療費用などをご説明します。(精密検査、診断料:30,000円)
この治療シミュレーションの時点で患者さまのご希望に添える歯の動きができないと判断した場合はワイヤー矯正治療などをご提案する場合もございます。

2 インビザラインで治療可能な症例

2 インビザラインで治療可能な症例

 インビザラインは多くの症例で治療が可能になっています。以下に治療可能な一般的症例を挙げていますので参考になさってください。
・叢生(歯がガタガタしている)
・正中のずれ:顔の正中に上下の歯の正中が一致していない
・すきっ歯:歯と歯の間に隙間がある
・開咬(オープンバイト):噛んだ時に特に上下の前歯が当たっていない
・過蓋咬合(ディープバイト)::上前歯が下の歯に深く噛み込んでいる
・反対咬合(受け口):下の歯が上の歯よりも前に出ている

3 インビザラインで治療が難しい症例

3 インビザラインで治療が難しい症例

 インビザラインでは治療が難しい症例も残念ながらあります。最終的な治療の可否については精密検査のもと、歯科医師の診断を受ける必要がありますが以下に治療が難しい症例を挙げています。
・重度の歯周病
・重度の叢生
・骨格に問題がある場合
・抜歯をする数が多い
・インプラントの数が多い
それぞれについて詳しく解説します。

◎重度の歯周病
みなさんも歯周病という病気はよく耳にされるのでご存じかと思います。歯周病は歯を支える歯槽骨(顎の骨)が溶けてしまう病気です。歯槽骨が溶けると歯の根元を支えることができなくなるため、そのまま放置してしまうと歯が抜けてしまいます。軽度の歯周病では歯槽骨の骨には大きな影響がなく歯肉の出血などに留まっていることが多く、歯周病の治療をすることで進行を防ぐことができます。しかし、重度の歯周病の場合は、歯がグラグラと不安定な状態になり、インビザラインによって歯に力が加わるとその力に歯はたえられなくなってしまい、抜けてしまう可能性があります。インビザラインだけでなく、ワイヤー矯正などにも当てはまり、歯周病が進行している場合は歯科矯正ができません。歯周病がある場合は、歯周病の治療から始め、その後の再評価でインビザラインが可能かを再検討します。

◎重度の叢生
 叢生とは、歯がきれいなアーチに並んでいなく、ガタガタに重なり合うように並んでいる状態のことをいいます。
歯の重なりが多すぎてしまうと、インビザラインでは治療できない場合があります。叢生は、顎の大きさと歯の大きさのバランスの不調和が原因であることが多いのです。顎が小さかったり顎に比べて歯が大きかったりすることが原因で叢生になります。顎の成長は幼少期の発達が大きく影響しています。歯が本来の位置から大きくずれていると、元の正しい位置に歯を動かす範囲が大きくなります。インビザラインでは、軽度の叢生であれば歯を少しだけ削ることで歯と歯の間にスペースを作り、歯を正しい位置に動かすことができます。しかし、歯と歯が大きく重なっている場合、歯を平行移動させて位置調整を行います。インビザラインは、ワイヤー矯正に比べて歯を動かせる範囲が小さいため、歯のずれが大きい場合はインビザラインで治療できないと判断することがあります。
また、叢生が重度の場合は、治療するにあたって歯を移動させるスペースを確保する必要があり、事前に抜歯をすることがあります。歯を抜くとスペースができますが、歯根ごと移動させる必要があり、動かす距離も長くなります。平行移動はインビザラインでも可能ですが、空いたスペースを埋めるために相当の時間を要することになります。歯が大きくずれている場合はインビザラインで治療できないことがあることをご理解してください。

◎骨格に問題がある
 骨格に問題がある場合は、歯並びを良くするだけでは審美的な要素を解決できないことがあります。骨格にアプローチして歯列矯正を行う場合は、外科的な手術が必要になります。実際には、重度の出っ歯や、重度の受け口、過蓋咬合と言われる症例です。

・重度の出っ歯
出っ歯というのは、上の前歯が前に出ていることをいいます。上の歯だけが前に出ているような軽度の出っ歯では、インビザラインでも矯正治療が可能です。
しかし、重度の出っ歯になり、上顎が下顎よりも前に出ている状態(上顎前突:じょうがくぜんとつ)では、顎が成長する段階で、下顎に比べて上顎が成長しすぎてしまうことや、上顎の成長に対して下顎の成長が未熟であった場合、上の歯をかなり後ろに平行移動させる必要があります。そのためインビザラインでは治療できない可能性が高くなります。

・重度の受け口
受け口とは、出っ歯とは反対で下顎が上顎よりも前に出ている状態(下顎前突:かがくぜんとつ、あるいは反対咬合:はんたいこうごう)のことをいい、上下の歯が正しく噛み合っていない状態を指します。
その原因は様々ですが、歯が正しい位置で噛み合っていない、顎の成長過程で、上顎や下顎の成長バランスが適切でない場合になることが多いです。顎の成長に関連することとしては、遺伝的な要因や習慣的な口の使い方(舌が正しい位置にないなど)が影響すると言われています。軽度な受け口ではインビザラインも適応になりますが、重度の場合は、顎の骨などにアプローチする外科手術が必要です。

・過蓋咬合
過蓋咬合とは、噛んだ時に上顎の歯が下顎の歯よりも垂直方向に出ており、上の前歯が大きく下の前歯に被ってしまうことで、下の前歯がほとんど見えなくなっている状態のことを言います。一般的に過蓋咬合は、上顎が大きい、または下顎が小さいことが原因です。
過蓋咬合は噛み合わせが深いために顎関節の負担が大きくなります。そのため、顎関節症のリスクが高く、出っ歯や受け口と同様、顎の骨の手術が必要になるので、インビザラインで治療できないことが多いです。

◎抜歯をする数が多い
インビザラインでは抜歯を行い歯を並べるスペースを確保して矯正治療を行うケースもあります。通常インビザラインでもワイヤー矯正でも左右一本ずつ歯を抜歯し空いたスペースに歯を動かしていきます。しかし、抜歯をする数が多くなると歯を移動させる距離もその分長くなるためインビザラインが適応にならない症例もあります。

◎インプラントの数が多い
インプラントは人工歯根です。歯を失ったところの骨に人工材料でできた歯根を埋め込みます。人工歯根の材料は一般的にはチタンなどの金属素材を用いています。インビザラインなど矯正治療で歯を動かす際には、歯に力を加えて徐々に動かしていきます。天然の歯には歯根膜と呼ばれる組織が存在し、歯を動かす際には根の周りの歯根膜や歯槽骨と言われる組織が吸収したり、できたりというメカニズムを繰り返して動いていきます。インプラントには歯根膜がなく、骨と直接くっついているため、インプラントを動かすことができません。そのため、動かしたい歯の近くにインプラントがあったり、動かしたい位置にインプラントがあると矯正治療ができないことがあります。
ただし、インプラントが埋まっていても、歯を動かすところに影響しない場合はインビザラインも可能です。

4 インビザラインができない場合の対応

4 インビザラインができない場合の対応

 インビザラインが適応でないと判断されても、ワイヤー矯正を行う、ワイヤー矯正とインビザラインを併用するという方法があります。
◎ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面につけるブラケットと、ブラケット間に通されるワイヤーによって歯を動かしていく治療法です。ブラケットは歯の表面に取り付けられる小さな装置で、専門の歯科医師が装着し、ワイヤーも専門の歯科医師が取り付けます。軽度から重度まで幅広い症例に対応できるのが特徴です。ワイヤー矯正は、ワイヤーを締め付ける力がインビザラインよりも強く、治療期間が短くできるのがメリットです。また、近年のブラケットやワイヤーも白色や透明色などがあり、より目立ちにくくなっています。インビザラインと大きく違う点は、患者さまご自身で取り外せないところです。

◎インビザラインとワイヤー矯正の併用
インビザラインだけでは治療できない症例でも、ワイヤー矯正を用いることで矯正治療が可能になる症例もあります。複雑な歯の動きを行い歯列をある程度並べるまでにワイヤー矯正を用い、治療の半ばから後半にかけてインビザラインを使用し、インビザライン、ワイヤー矯正を併用していく治療法です。
インビザラインで適応できない歯の動きを補ってくれるのがワイヤー矯正です。当院ではインビザラインで行なった場合でも、歯の動きによってはワイヤー矯正が必要になる可能性を事前に説明しております。

◎ まとめ

◎ まとめ

 インビザライン矯正治療は適応できる症例がとても多くなっています。しかし、インビザラインでも骨格的な問題が大きい場合やお口の中の問題から治療ができない症例もあります。しかし、ワイヤー矯正をうまく併用することで治療が可能になる場合も多くあります。ワイヤー矯正は装置を歯に近い色にするなど目立たなくすることが可能になっています。矯正治療をしたいけどインビザラインでできるのかわからない場合など、ご質問がありましたらお気軽にご相談ください。

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