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Front Dental Clinic

インビザラインはどうやって歯を動かすの?アタッチメントについて詳しく解説します!

こんにちは、歯科医師の杉田です。
インビザラインは、透明なマウスピース(アライナー)を使った矯正治療です。従来の歯列矯正装置とは異なり、金属ブラケットやワイヤーを使用せず、透明なアタッチメントと呼ばれるプラスチック製の装置を利用して歯を動かしていきます。これにより、矯正装置が目立たず、外見に配慮した矯正治療が可能となっています。今回はアタッチメントがどのようなものか、アタッチメントの役割とそれに関係するいくつかのポイントをご紹介したいと思います。

1、アタッチメントの役割

1、アタッチメントの役割

1、アタッチメントの役割

 インビザラインで使用するアタッチメントは、事前に治療計画で決まった歯の動きを実現するためにいくつかの歯に付けられる透明の小さな装置です。アタッチメントは、歯の表面にコーティングを行い、コンポジットレジン(虫歯治療などで使用されるプラスチック)を接着させて付けていきます。アタッチメントがマウスピースと組み合わさることによって、特定の歯に的確な力をかけることができるようになります。アタッチメントの大きさは、歯を動かすためにさまざまな形に設計せれています。形は丸いものから四角いものなどさまざまで、大きさは3mmから5mm程度のものが一般的です。コンポジットレジンと言われる歯の色と同じ白さのため、治療中もあまり目立ちません。
こちらの写真は、当院に通院されている患者さまの口元を移したものです。写真を撮られても一見アタッチメントがついてるかわからないくらい歯に馴染んでいるのがお分かりになるのではないでしょうか。

2、アタッチメントの種類

 インビザラインのアタッチメントには、治療計画を設計した際に自動的に付けられる最適アタッチメントと、歯科医師が必要に応じて付ける通常アタッチメントの2種類があります。最適アタッチメントには下記に示します種類があります。

●オープンバイト用最適アタッチメント
オープンバイト用最適アタッチメントは、奥歯が咬合接触した際に、前歯が咬合接触していない状態、上下の前歯に隙間ができている状態の開咬(オープンバイト)の治療に用いられます。上の前歯にアタッチメントを装着し、歯を引っ張り出すような「挺出(ていしゅつ)」という動きを促してくれます。

●ディープバイト用最適アタッチメント
上下の歯を咬合接触した際に、下の前歯が上の前歯でほぼ完全に見えな
くなる過蓋咬合(ディープバイトという咬み合わせに使用するアタッチ
メントです。
下の前歯や小臼歯部にアタッチメントを付与し、奥歯を挺出させること
によって噛み合わせの深さの改善をはかります。

●ルートコントロール用最適アタッチメント
ルートコントロール用最適アタッチメントは、すきっ歯や傾いている歯の治療に用いられるアタッチメントです。歯根の動きを助けるもので、1つの歯に2つのアタッチメントを装着します。前歯に装着することが多いアタッチメントです。

●回転用最適アタッチメント
回転用最適アタッチメントは、ねじれている歯の治療に用いられるアタッチメントです。回転させたい方向に斜面がついたアタッチメントを装着し、理想的な歯並びの位置に歯を動かすことが可能になります。回転用アタッチメントは主に、犬歯や奥歯に付けられることが多いです。

●アンカレッジ用最適アタッチメント
アンカレッジ用最適アタッチメントは、抜歯が必要な症例に使用される最適アタッチメントです。これまで重度の出っ歯や受け口、叢生などの治療では、歯を動かすためのスペースを作るために抜歯を行い、空いたスペースに歯を並べていく矯正治療として、ワイヤー矯正を行っていました。しかし、アンカレッジ用最適アタッチメントというインビザラインのための最適アタッチメントが登場し、抜歯が必要になるような重症度の高い症例でもインビザラインで矯正治療を行うことが可能になりました。このような症例には、抜歯した両隣の歯が空いたスペースに倒れることなく、きれいにすき間を埋められるように設計されたアタッチメントを装着します。

3、インビザラインアタッチメントの付け方

3、インビザラインアタッチメントの付け方

 アタッチメントは基本的に、患者さまでは付けるまたは外すことはできません。歯科医院で専用の手順に従って取り付けていきます。
まず設計されたアタッチメントを付ける歯の表面を汚れなどがないように綺麗に磨きます。次に歯の表面を乾燥させ、エッチング剤(歯の表面に凹凸を付ける薬剤)を用いて表面処理をします。数十秒後に水洗します。その後歯科材料であるコンポジットレジン(歯の色をしたプラスチック素材)の接着剤を塗布し、光照射をします。アタッチメント装着専用のマウスピースが患者さまそれぞれに作られており、マウスピースの中にコンポジットレジンを築盛し、歯に密着させ
光照射しコンポジットレジンを硬化させます。マウスピースを慎重に外して、バリを除去し、研磨して終了となります。インビザライン治療中は基本的にずっとアタッチメントが歯に装着されているため、ここでの操作をしっかりと時間をかけることが必要です。通常は一回の来院でアタッチメントの装着は終わりますが、症例によっては複数のアタッチメントを多数の歯に付ける必要があるため、2回に分けて装着させていただく場合もあります。

4、インビザラインの外し方

 アタッチメントを外す際はレジンリムーバーという除去器具や、コンポジットレジンを削り外していきます。コンポジットレジンは歯に強固に接着しているためやや外す時の振動などを感じられる方もいらっしゃいます。アタッチメントを外した歯面はザラザラしているため、しっかりと研磨して終了となります。
インビザラインの治療は長い方ですと2年以上の期間を要します。その間に結婚式や大切なイベントを迎えられる方もいらっしゃると思います。その際は治療途中でもアタッチメントを外すことは可能です。

5、インビザラインアタッチメントの注意点

5、インビザラインアタッチメントの注意点

• アタッチメントは歯の表面に突起物のように少し盛り上がっているため、アタッチメントを付与したばかりの時は、頬や唇にアタッチメントが触れて、弱い痛みや違和感が出ることがありますが、通常は2、3日で慣れてきます。
• アタッチメントを付けると、マウスピースの着脱が難しくなることがあります。装着する時はゆっくりと前歯や奥歯に少しずつはめ込んでいくように付けてください。外す際はマウスピースの端を指に引っ掛け、広げるように外すとスムーズに外れます。初めは慣れないため取り外しに時間がかかってしまうこともあると思いますが段々と慣れてきます。
• アタッチメントはコンポジットレジンという歯科用材料を用いています。治療中に着色しやすい食べ物を摂取すると、着色してしまう可能性があります。治療中の食事制限は特にありませんが、できるだけ着色しやすい食べ物の摂取を控えると着色しづらくなります。
• アタッチメントをつけた歯にホワイトニングの薬剤を塗布しても薬剤が浸透しないため、アタッチメントを付与した歯に対してのホワイトニングは避けた方が良いです。インビザライン治療前に行っていただくか、治療後のホワイトニングをお勧めします。
• アタッチメント部分は、通常通り歯磨きを行っていただけますが、アタッチメントの周囲は汚れが溜まりやすく、ブラッシングをより丁寧にする必要があります。歯ブラシや洗口液などを用いて清掃してください。

◎ まとめ

◎ まとめ

 インビザラインのアタッチメントについてご説明させて頂きました。インビザラインには、歯に適切な力を作用させるためにアタッチメントが必要不可欠です。インビザライン独自で設計された様々なアタッチメントによって矯正治療の幅がかなり広がりました。しかし、歯に接着させている材料であるため取れてしまうことや長期間使用していると着色してくるというデメリットもあります。アタッチメントの注意点など、ご不明なことがありましたら歯科医師やスタッフにお気軽にお問い合わせください。

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