喫煙が歯周病リスクを高める?たばこが歯ぐきに与える影響
こんにちは。東京都港区「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩1分にある歯医者「虎ノ門ヒルズ駅前歯科」です。

歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が破壊される病気で、大人の歯を失う主な原因のひとつです。進行すると口臭や出血、最終的には歯が抜けることもありますが、その原因はさまざまです。
なかでも喫煙は、歯周病のリスクを大きく高める要因として知られています。実際に、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、歯周病が悪化しやすい傾向にあることが多くの研究で明らかにされています。
今回は、歯周病の基本的な情報から、喫煙がどのように影響を与えるのか、そして歯周病を防ぐためにどのような対策が有効かについて詳しく解説します。
歯周病とは

歯周病とは、歯ぐきや歯を支える骨など、歯の周囲の組織に炎症が起こる病気です。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きのときに出血したりする程度で、自覚症状がほとんどありません。
しかし、悪化すると歯周炎へと進行し、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が徐々に破壊されていきます。やがて歯がグラグラし始め、最終的には抜け落ちることもあります。
歯周病の原因は、歯と歯ぐきの境目にたまるプラーク(歯垢)に含まれる細菌です。プラークが硬くなると歯石に変わり、歯磨きだけでは取り除けなくなります。歯周病は40代以降に急増する傾向がありますが、若い人でも見られるため、年齢に関係なく注意が必要な病気です。
喫煙が歯周病のリスクを高める?

喫煙は、歯周病の発症と進行に大きな影響を与えることがわかっています。その理由を理解することは、歯ぐきの健康を守るうえで非常に重要です。
血流が悪くなって免疫力が低下する
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があり、歯ぐきに流れる血液の量を減らします。その結果、歯ぐきに十分な栄養や酸素が行き届かなくなり、組織の修復力が低下します。
また、タバコを吸うことで体の免疫力が下がると、歯ぐきも細菌に対して弱くなります。免疫は、体を守るための大切な働きですが、タバコに含まれる有害物質はそのバランスを崩し、炎症が起きやすい状態をつくります。
健康な口の中では、免疫の働きによって細菌の増殖が抑えられていますが、免疫力が下がると、そうしたコントロールがうまくいかなくなります。結果として、炎症が長引いたり歯ぐきの組織が壊されたりすることがあり、歯周病が悪化する原因になります。
また、免疫機能が弱っていると、治療への反応も悪くなり、回復に時間がかかる傾向があります。
歯周病の症状に気づきにくくなる
喫煙者が歯周病に気づきにくい理由のひとつが、ニコチンの血管収縮作用によって炎症のサインが表れにくくなることです。普通であれば、腫れ・出血・膿・口臭などの症状が歯周病のサインとして現れますが、喫煙によって血流が阻害されることで、出血が少なくなり、歯周病であることに気づきづらくなる場合があります。
自分では問題がないと思っていても、実際には歯の周囲の骨が失われているケースも珍しくありません。
治療の効果が現れにくい
たばこを吸っている人は、歯周病の治療を受けても期待するほどの効果が得られにくい傾向があります。喫煙によって血管が収縮し、組織の修復に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、傷の治りが遅くなるためです。また、免疫機能の低下により、細菌に対する体の防御力も弱まります。
結果として、歯周ポケットの改善や歯ぐきの回復に時間がかかり、治療を続けても症状が再発しやすい状態になります。
歯周病が再発しやすくなる
治療によって一時的に歯ぐきの状態が改善されたとしても、喫煙を続けていると再び歯周病が進行しやすくなります。これは、喫煙によって歯ぐきの血流が悪化し、免疫の働きが低下するためです。
さらに、喫煙者は歯ぐきからの出血や腫れが現れにくいため、再発に気づきにくいという問題もあります。見た目には改善しているように見えても、内側では炎症が進んでいるというケースも少なくありません。
歯周病の再発防止のためには、治療後も継続的に禁煙を意識することが重要です。
禁煙をすると歯ぐきの状態は改善する?

禁煙を始めると、口の中の環境は少しずつ回復に向かいます。ここでは、禁煙によって現れる口内の変化について解説します。
血流が改善する
禁煙後しばらくすると、歯ぐきに通う血液の流れが回復し、これまで抑えられていた炎症反応が見えるようになります。その結果、歯ぐきの腫れや出血が増えたと感じるかもしれませんが、これは体が本来の働きを取り戻している証拠です。
「禁煙したら口内環境が悪化した」と思う方もいるかもしれませんが、隠れていた症状が表に出てきたことで、適切なケアを行いやすくなったという前向きな変化ともいえます。
歯周組織の再生が期待できる
禁煙によって血流や免疫機能が正常に戻ることで、歯ぐきや歯を支える骨の回復が促されます。すでに進行していた歯周病でも、正しい治療とケアを組み合わせれば、歯ぐきの腫れがひいて歯周ポケットが浅くなるなどの改善が期待できます。
すべての組織が完全に元通りになるわけではありませんが、禁煙は歯と歯ぐきの健康を守るための有効な一歩です。
免疫力が回復しやすくなる
たばこを吸っていると、体の免疫力が落ちて、歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。しかし、禁煙によって免疫機能が正常な働きを取り戻せば、細菌に対する防御力が高まり、歯ぐきの健康を守りやすくなるのです。
また、治療を受けたあとの回復速度も早くなるため、歯周病の改善を後押しする効果も期待できます。
治療効果が現れやすくなる
禁煙すると、歯周病の治療効果がより現れやすくなります。喫煙者の口の中は、血流が悪く組織の回復も遅いため、歯周病を改善しづらくなることがあります。禁煙後は、歯ぐきに栄養や酸素がしっかり届くようになり、治療に対する体の反応も良くなります。
これにより、歯ぐきの腫れや出血が改善しやすくなり、深い歯周ポケットも少しずつ引き締まっていきます。歯周病の進行を抑えやすくなり、治療の効果が安定して続くようになるのです。
歯周病を予防するために禁煙以外でできること

禁煙は非常に重要ですが、それに加えて日常生活の中でできる予防策を取り入れることで、歯周病の発症リスクをより低く抑えられます。ここでは、禁煙以外に歯周病を予防するためにできることをご紹介します。
正しい歯磨きを習慣づける
正しい方法での歯磨きは、歯周病を予防するための基本です。力を入れすぎず、毛先を軽く歯ぐきに当てながら小刻みに動かすことで、歯と歯ぐきの間にたまりやすい汚れを効果的に落とせます。特に、歯と歯の間は磨き残しが多いため、歯間ブラシやデンタルフロスも取り入れるとよいでしょう。
朝と夜の1日2回、時間をかけて丁寧に磨く習慣を身につけることが、歯ぐきの健康を守る第一歩になります。
定期的に歯科検診を受ける
自分では気づきにくい歯ぐきの変化や歯石の付着も、歯科医院でのプロフェッショナルケアによって早期に発見・対処することができます。特に歯周病は、初期段階では痛みなどの自覚症状が乏しいため、定期的な検診が予防・早期治療には欠かせません。
加えて、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)などの専門的な清掃を受けることで、磨き残しや歯石を徹底的に除去することが可能です。歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導や生活習慣のアドバイスも、将来的な歯の健康を守るうえで大きな助けとなります。
食生活を見直す
歯ぐきの健康維持には、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。特に、ビタミンCやビタミンD、カルシウムなどは、歯や歯ぐきの組織を強く保つ働きがあります。野菜や果物、乳製品、魚類などを積極的に摂取し、糖分や脂質の多い食品は控えめにしましょう。
また、よく噛んで食べることで唾液の分泌が促進され、口腔内の自浄作用が高まる効果も期待できます。
ストレスをためない
ストレスがたまると、体の免疫力が低下し歯ぐきへの抵抗力も弱くなります。また、歯ぎしりや食いしばりといった無意識の癖が出やすくなり、歯や歯ぐきに負担をかける原因にもなります。
ストレスをためないよう、十分な睡眠やバランスのとれた食事、軽い運動、趣味の時間などを意識して生活の中に取り入れることが大切です。心身の健康が整うことで、口の中の環境も自然と良い状態に保ちやすくなります。
まとめ

喫煙が歯周病のリスクを高めることは、多くの研究から明らかになっています。タバコに含まれる成分が、血流の悪化や免疫力の低下を引き起こし、歯ぐきの健康を損なうことにつながるのです。
しかし、禁煙をすることで、歯ぐきの状態は少しずつ改善し、歯周病の治療効果も現れやすくなります。また、正しい歯磨きの習慣や定期的な歯科検診、バランスのとれた食生活などを実践することで、歯周病の予防につながります。
日々の生活習慣を見直し、口の中の健康を守る意識を持つことが、将来の歯のトラブルを減らす第一歩です。
歯周病にお悩みの方は、東京都港区「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩1分にある歯医者「虎ノ門ヒルズ駅前歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、妥協なき歯科医療を目指して幅広い治療に対応しています。虫歯・歯周病治療や精密根管治療、生体親和性、インプラント、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。
ホームページはこちら、WEB診療予約も受け付けておりますのでぜひご覧ください。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

■この記事の監修者
戸澤 有理恵
経歴
- 2012年 昭和大学歯学部 卒業
- 2013年 昭和大学歯科病院臨床研修医 修了
- 2016年 昭和大学大学院歯学研究科 補綴歯科学専攻 博士課程 修了
- 昭和大学歯学部歯科補綴学講座 兼任講師
所属学会・認定医
- 日本補綴歯科学会 専門医
- 日本口腔インプラント学会
- 日本アンチエイジング歯科学会