歯周病の症状を進行レベル別に解説!セルフチェック方法と放置リスクも
こんにちは。東京都港区「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩1分にある歯医者「虎ノ門ヒルズ駅前歯科」です。
歯周病は、歯と歯ぐきの周囲に起こる炎症性疾患です。歯ぐきに付着するプラークや歯石が原因となり、歯ぐきが腫れたり出血しやすくなったりします。初期の段階では症状がほとんどないため、知らない間に進行することが多いです。
本記事では、歯周病の進行レベルごとの症状や、セルフチェックの方法、放置するリスクについて詳しく解説します。
歯周病になる仕組み
歯周病は、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に細菌が侵入し、歯ぐきに炎症を引き起こすことで発症します。
歯周病には、歯肉に炎症が起こる歯肉炎と、歯を支える骨(歯槽骨)まで炎症が広がった歯周炎の二つの段階があります。歯肉炎と歯周炎を合わせて、歯周病と呼びます。
歯みがきが不十分だと、歯と歯ぐきの境目にプラーク(歯垢)が溜まり、その中で細菌が繁殖します。1mgあたり1億以上もの細菌が含まれるプラークが放置されると、細菌が産生する毒素によって歯ぐきが腫れたり出血しやすくなったりします。
炎症が進行すると歯周ポケットが深くなり、酸素の少ない環境で歯周病菌がさらに繁殖していきます。歯周病菌が増殖すると炎症が悪化し、歯周病が深刻化します。
歯周病の症状[進行レベル別]
ここでは、歯周病の進行レベル別の症状をご紹介します。
初期(歯肉炎)
炎症が歯茎に限定されている状態を、歯肉炎といいます。痛みが現れることはほとんどなく、気づかずに放置する方が非常に多いです。
歯ぐきが赤く腫れて、歯磨き時に出血するなどの症状が現れます。この段階では骨の吸収はまだ始まっておらず、しっかりとしたケアを行えば改善できることもあります。
中期(軽度〜中度歯周炎)
歯肉炎を放置すると、炎症が広がって歯周炎に移行します。この段階では、歯と歯ぐきの間に深い歯周ポケットが形成され、プラークや歯石がたまりやすくなります。出血が増えて口臭が強くなるほか、徐々に歯のぐらつきを感じることもあります。
この段階であれば、ブラッシングや歯科医院でのスケーリング(歯垢・歯石の除去)で改善が見込めます。適切な治療を行わなければ、さらに歯周病が進行してしまいます。
後期(重度歯周炎)
歯周病が重症化すると、歯を支える歯槽骨が大きく吸収され、歯がぐらつく症状が顕著に現れます。膿が出ることもあり、食事中に痛みを感じることが多くなります。
歯周ポケットが非常に深くなっており、放置すると最終的には歯が抜け落ちる可能性が高くなります。
歯周病の際に現れる自覚症状
歯周病の初期段階では、自覚症状がほとんどありません。そのため、知らないうちに進行することも多いです。
しかし、進行すると歯を失う可能性もあるため、早期に治療を開始することが重要です。歯周病の際に現れる症状を確認しましょう。
- 歯磨きの際に出血する
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯ぐきがむずむずする、痛みを感じる
- 口臭が気になる
- 歯がぐらつく感じがある
- 食べ物が歯と歯の間に詰まりやすい
- 歯ぐきが下がって歯が長く見える
- 起床時に口の中がネバネバする
- 硬いものが噛みにくい
特に、歯周病のリスクが高いとされる中年期以降の方、喫煙者、妊娠中の方、糖尿病の方などは、定期的に検診を受けましょう。
歯周病の症状を自覚したときにするべきこと
歯周病の症状を自覚した際には、まず生活習慣やセルフケアの見直しが必要です。早急に歯科医院を受診することも忘れてはいけません。
セルフケアの見直し
歯周病の進行を食い止めるためには、毎日の適切なセルフケアが欠かせません。歯科医院での治療も重要ですが、日常のブラッシングでプラーク(歯垢)をしっかりと除去することも非常に重要なのです。
歯科医院での処置だけでは、日々蓄積されるプラークを完全に取り除くことはできません。セルフケアも、歯周病治療において重要な役割を果たします。
正しい歯磨き
歯ぐきを傷つけないように、歯ブラシは45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当てて優しく磨きましょう。特に、歯と歯ぐきの境目や、奥歯の噛み合わせの部分は汚れがたまりやすいため丁寧に磨くことが大切です。
デンタルフロスや歯間ブラシの使用
歯ブラシだけでは除去できない歯と歯の間のプラークは、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して落としましょう。選び方や使い方が分からない場合は、歯科医院で相談すればアドバイスしてもらえます。
うがい薬の使用
抗菌効果のあるうがい薬を使用することも、歯周病の予防・進行の抑制に効果的です。歯周病菌の増殖を抑え、ブラッシング後の清潔な状態を維持することができます。
生活習慣の見直し
歯周病の予防と改善には、セルフケアだけでなく生活習慣を見直すことも必要です。特に、免疫力は歯周病の進行に大きく影響を与えます。免疫力を高める生活習慣を意識することが、リスク軽減につながります。
禁煙
タバコに含まれる有害物質は、歯ぐきに悪影響を与えます。歯周ポケット内で細菌が繁殖しやすくなるため、喫煙者は歯周病のリスクが高く、治療後の回復も遅れる傾向があります。
歯周病を予防・改善するためには、禁煙が強く推奨されます。また、喫煙は全身の血流を悪化させ、免疫機能も低下させる要因となります。
バランスの良い食事
免疫力を高めるためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。特にビタミンCやカルシウムなどの栄養素を積極的に摂取し、糖分の摂取は控えましょう。
糖尿病と歯周病は相互に影響し合うため、血糖値の管理も重要です。
ストレス管理と睡眠
過度なストレスは免疫力を低下させ、歯周病の進行を促進する可能性があります。ストレスを軽減するためには、十分な休息やリラクゼーションを取り入れることが大切です。
また、質の良い睡眠は免疫力の維持に欠かせません。毎日6〜7時間の睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを整えましょう。
歯科医院の受診
セルフケアで改善が見られない場合や、すでに歯周病が進行している場合は、早急に歯科医院を受診することが重要です。歯周病の治療では、セルフケアとプロフェッショナルケアを行う必要があります。
歯周病の初期段階では自覚症状が現れにくいため、違和感を覚えていても「大したことはないだろう」と受診を先延ばしにする方も少なくありません。
しかし、歯周病によって損傷した歯周組織は、自然治癒することはありません。特別な処置が必要になり、費用や通院の負担が増加します。
ご自身で歯周病の程度を判断することはできないので「歯周病かもしれない」と感じた時点で早急に歯科医院を受診しましょう。
歯周病の症状を放置するリスク
歯周病を放置すると、歯や歯ぐきだけでなく全身にも悪影響を及ぼす可能性があります。
歯の脱落
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が徐々に吸収されて歯がぐらつき、最終的には抜け落ちることがあります。歯を失うと噛み合わせが悪くなり、咀嚼や発音に支障をきたすでしょう。隣接する歯にも過度の負担がかかり、寿命が短くなる可能性もあります。
また、失った歯を補う治療を受けなければならないため、費用や時間がかかるでしょう。
全身に影響を及ぼす
歯周病は口腔内の問題を引き起こすだけでなく、全身の健康に深く影響を及ぼします。歯周病菌や炎症によって生じる毒性物質が血流に乗って全身を巡り、さまざまな疾患を引き起こす可能性があるのです。
心筋梗塞などの心臓血管疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎など、さまざまな病気のリスクが高まります。妊娠中の方の場合、早産・低出生体重児のリスクが高まることもわかっています。
歯周病の予防と治療は、全身の健康維持にも不可欠です。
まとめ
歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づいた時にはすでに進行していることが多いです。
しかし、適切なセルフケアと早期の歯科治療によって、進行を食い止めることが可能です。日常的にセルフチェックを行い、異常を感じた際には早めに歯科医を受診することが重要です。
また、歯周病は歯や歯ぐきだけの問題にとどまらず、全身の健康にも多大な影響を及ぼす生活習慣病の一種です。歯周病を予防・治療することで、心疾患や糖尿病などのリスクを軽減することができます。
日頃から正しいセルフケアを実践し、定期的な歯科受診を心がけることで、健康な口腔環境と全身の健康を維持しましょう。
歯周病治療を検討されている方は、東京都港区「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩1分にある歯医者「虎ノ門ヒルズ駅前歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、妥協なき歯科医療を目指して幅広い治療に対応しています。虫歯・歯周病治療や精密根管治療、生体親和性、インプラント、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。