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TRANOMON HILLS Station
Front Dental Clinic

SMT(唾液検査)ってどういうもの?

こんにちは。虎ノ門ヒルズ駅前歯科、歯科衛生士浅川です。
みなさんは、むし歯や歯周病を予防するにはどうしたらいいと思いますか?
検診で、歯垢を赤く染めて、赤いところがなくなるまで歯ブラシの練習をすれば、予防できると思いますか?実は、どんなに歯ブラシに時間をかけ、フロスや歯間ブラシを頑張ったとしても、3割ほどの磨き残しができてしまう、という研究結果があります。そこで、お口を健康に保つために、歯ブラシ以外にも注目したい要素が唾液です。
以前のコラムで、唾液の役割について解説しました。唾液は、お口の健康維持、おいしく食事をすること、食事を消化すること、快適に会話をすること、免疫機能、歯の再石灰化…などなど、たくさんの効果があることをお伝えしました。
ですが、唾液は個人差があり、分泌量や含まれている成分の割合などもひとそれぞれです。唾液の働きが弱く、毎日念入りに歯ブラシをしていても、むし歯や歯周病が進んでしまう方もいれば、お口に関心が少なくても、唾液の働きで健康な状態を維持できる方もいらっしゃるのです。
血液検査から、体の疾患を見つけ、薬を服用したり、食事や生活習慣を改善することがありますよね?同じように、SMTで唾液の性質を調べることで、むし歯や歯周病のなりやすさを知って頂き、ご自身必要なケアを知っていただきたいと思っています。

1.SMT唾液検査とは?

1.SMT唾液検査とは?

SMTとは、「多項目・短時間唾液検査システム Salivary Multi Test(SMT)」の略になります。お口の健康状態を測定する唾液検査システムのことです。当院で実施している唾液検査「SMT」では、6つの項目を測定することができます。歯の健康に関する項目、歯茎の健康に関する項目、口腔清潔度に関する項目、口内の清潔度までを、数値化して調べることができます。
3ステップの簡単操作で測定時間5分で結果がわかります。一度の検査で6項目を測定することができます。

「当院での唾液検査費用」
SMT唾液検査…¥3,720

2.SMTでわかる6項目について

<歯の健康に関する項目>

①「むし歯菌」
大人のお口の中には、300~700種類の細菌が生息しているといわれます。歯をよく磨く人で1000~2000億個、あまり歯を磨かない人では4000~6000億個、さらにほとんど磨かない人では1兆個もの細菌がすみ着いています。その中でも、善玉菌や普段は特別悪さをしない日和見菌もいれば、人に害を及ぼす悪玉菌も潜んでいます。むし歯菌が多いと、歯の表面に歯垢が付着しやすく、歯の健康を損なうことが知られています。
SMTでは、う蝕原性菌数との関連性が認められているグラム陽性菌群によるレサズリンの還元能を検出しています。

②「酸性度」
唾液のpHは平均6.8(中性に近い弱酸性)です。唾液の酸性度が高くなり、pH5.5よりも低くなると、エナメル質などの歯質が溶け始め、脱灰をおこします。お口の酸性度が高いと、むし歯のリスクが高いことが推測できます。
SMTでは、pH指示薬の呈色変化から水素イオン量を検出しています。

③「緩衝能」
唾液には、むし歯菌や食物由来の酸を中和する機能(緩衝能)があります。その働きが弱いと、エナメル質などの歯質が脱灰しやすいことが知られています。
SMTでは、一定量の酸存在下の複合pH指示薬の呈色変化から、酸に対する唾液の中和力を検出しています。

<歯ぐきの健康に関する項目>

④「白血球」
歯茎に炎症がみられたり、異物が侵入すると、生体の防御作用により唾液中の白血球が増加することが知られています。
SMTでは、尿検査に用いられている試験紙の技術を応用し、白血球エステラーゼ活性を検出しています。

⑤「タンパク質」
お口の中の細菌や、歯に付着するバイオフィルム(プラーク)の影響により、唾液中のタンパク質が多くなることが知られています。
SMTでは、尿検査に用いられている試験紙の技術を応用し、色素結合法により総タンパク質量を測定しています。

<口腔清潔度に関する項目>

⑥「アンモニア」
歯ブラシでどれだけ細菌を除去できているかの指標にしています。お口の中の細菌総数が多いと、唾液中のアンモニアが多くなることが知られており、口臭等の原因になるといわれています。
SMTでは、血液検査で用いられている試験紙の技術を応用し、酵素サイクリング法によりアンモニアを検出しています。

3.食習慣や生活習慣の聞き取りについて

SMTの結果以外にも、全身疾患や食習慣についての聞き取りを行います。
服用するお薬に唾液が減少する副反応があったり、逆流性食道炎などの既往歴があると、結果に影響を及ぼすことがありますし、SMTの結果が良好でも、食習慣によっては、むし歯や歯周病が進行する場合もあるからです。

これらの情報を加味することで、患者様のひとりひとりのお口の環境にあったオーダーメイドの予防プランを提案することができるのです。

4.SMTはどうやって受けるの?

検査当日になにかをご用意いただく事はありません。

●当日の注意点としましては、安定した状態の唾液を測定するために、検査前2時間は飲食、歯みがき、洗口・うがい等を控えてください。口にしたものが水であっても、唾液が薄まって結果に影響が出る可能性がありますのでご注意ください。

検査は3ステップで完了します。

Step1 : 採取
来院されましたら、スタッフが唾液の採取を行います。
専用の検査キット付属の洗口用水を口に含み、10秒間、お口全体に行き渡るようぶくぶくとうがいしていただきます。紙コップに吐き出していただきましたら、唾液の採取は完了です。痛みも不快感もございません。

Step2 : 測定
スタッフが専用の試験紙に採取した唾液を点着し、専用機器にセットしたら、測定がスタートします。測定時間は、わずか5分です。測定している間に食事に関する問診や予防などのクリーニングを行わせて頂いております。

Step3 : 結果の共有
検査結果は、次のアポイント時に歯科衛生士が、患者様の予防プランをお伝えし、結果シートをお渡し致します。
結果シートは、わかりやすいグラフで表記してあります。
結果から、歯ブラシのテクニックや必要な補助器具、食習慣などのアドバイスを行います。この際、取り入れにくいアドバイスがあれば遠慮なくお伝えください。予防ケアは継続が大事ですので、患者様の取り入れやすい方法を再度検討します。担当歯科衛生士と患者様で、納得のいく予防プランを作成したいと思います。

5.まとめ

唾液は、無意識のうちにお口の中に分泌されます。唾液には多くの役割があり、円滑な食事や会話、お口の環境維持や歯の修復など、なくてはならないものです。ご自身の唾液の質を知ることは、お口の健康を維持するのにとても重要です。唾液検査の結果が分かれば、例えば、むし歯にならないために、歯ブラシをもっと頑張る必要があるのか、甘いものを控えないといけないのか、歯磨き粉の成分に注目する必要があるのか、もしくは別の要素に注意しなければいけないのか、など、的確なアドバイスを受けることができます。
歯や歯ぐきが健康であることは、全身の健康維持やアンチエイジングにも繋がりますし、QOL(生活の質)を向上させ、より豊かな生活を送れるようになります。
ぜひ、SMT唾液検査を受けてみませんか?

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