虎ノ門ヒルズ駅徒歩1分

矯正で歯を削ることはある？目的・方法・注意点をわかりやすく解説　

こんにちは。東京都港区「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩1分にある歯医者「虎ノ門ヒルズ駅前歯科」です。

歯科矯正では、歯並びを整えるために必要に応じて歯を削る処置を行うことがあります。「なぜ歯を削るのか」「健康な歯を削って大丈夫なのか」と、歯の削合について心配される方は少なくありません。

この記事では、矯正治療で歯を削る目的や具体的な方法、削る場合のメリットとデメリット、そして治療を受ける際の注意点について詳しく解説していきます。歯の削合について正しい知識を身につけ、安心して治療に臨めるよう、この記事を参考にしてください。

歯科矯正で歯を削ることはある？

矯正治療では、歯を移動させるスペースを確保する目的で歯をわずかに削るケースがあります。専門的には、ディスキングやIPRと呼ばれる方法です。

歯を削ると言ってもその量はごくわずかで、歯のいちばん外側にあるエナメル質の範囲にとどまります。エナメル質は通常2〜3ｍｍの厚さがあり、矯正治療で削るのはそのうちの0.1〜0.5ｍｍ程度です。この範囲であれば、歯の健康に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。

すべてのケースで歯を削るわけではない

歯を削る処置が必要となるかは、歯並びの状態や治療計画によって異なります。軽度の乱れであれば削らずに矯正を進められる場合もあり、逆にスペースが大きく不足しているときには抜歯で調整する方法が選ばれるケースもあります。

どの方法でスペースを確保するかは、検査や診断を踏まえて担当医が判断し、必要がある場合には事前にしっかり説明します。疑問や不安があれば、その場で遠慮なく質問することが大切です。

削る処置を行うタイミング

歯を削る処置は、矯正治療のさまざまな段階で行われます。

治療開始前に必要なスペースを確保するために削ることもあれば、歯の動きをよりスムーズにするために治療途中で行う場合もあります。さらに、治療終了後の仕上げとして、歯の形態を整えるために削る場合もあり、どのタイミングで行うかは治療計画によって決まります。

歯科矯正で歯を削る目的・メリット

ここでは、歯を削る目的と得られる効果について詳しく説明します。処置の意図を理解しておくことで、治療に前向きに取り組みやすくなるでしょう。

歯の重なりを整えるためのスペース作り

最も一般的な目的は、歯を並べるためのスペースを確保することです。歯列が密集していると、歯を正しい位置に移動させる余裕がなくなります。

このような場合、抜歯が選択されることもありますが、歯の表面をわずかに整えて必要な隙間を作れるケースもあります。こうした方法を用いることで、歯列全体のバランスを保ちながら矯正を進められるでしょう。

歯の形を整え、仕上がりを美しくする

歯の大きさが左右で微妙に異なっていたり、形に偏りがあったりする場合には、微調整によって全体の調和を図ることがあります。例えば、前歯の幅が少し大きい場合、形を整えることで見た目がすっきりし、自然な印象を与えられます。

後戻りを防ぎ、長期的な安定性につながる

十分なスペースがないまま歯を動かすと、治療後に歯が元の位置へ戻りやすくなることがあります。あらかじめ歯を動かすための余裕を確保しておくことで、矯正後の安定性を高められます。

後戻り防止効果は患者さまにとっても大きなメリットといえます。

ブラックトライアングルの予防・改善

矯正治療で歯を正しい位置に並べると、これまで重なっていた部分に余白ができます。その際、歯茎がその変化に追いつかず隙間が目立つことがあります。こうした三角形の隙間は、ブラックトライアングルと呼ばれ、特に成人矯正で起こりやすい現象です。

歯を削って接触面を広げれば、隙間が目立ちにくくなります。また、治療前に予防的に行うことで、ブラックトライアングルの発生リスクを抑えられます。

歯科矯正で歯を削る場合のデメリット

歯を削る処置には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。治療を受ける前に、これらのリスクについても十分に理解しておくことが大切です。

削った歯は元に戻らない

歯を削る処置で最も注意すべき点は、一度削った歯は元の状態には戻らないということです。エナメル質は人体で最も硬い組織ですが、失われた部分を自然に再生する力はありません。

削った表面は唾液中の成分によって再石灰化が進み、時間の経過とともにある程度の強度を取り戻すことができます。

しかし、形や厚みそのものは元どおりには戻りません。そのため、削る量や位置の判断は非常に慎重に行う必要があります。経験豊富な矯正歯科医であれば、必要最小限にとどめることができますが、過度に削ると将来的にトラブルを招く可能性があります。

知覚過敏が起こる可能性がある

歯を削った後には、一時的に知覚過敏の症状が出ることがあります。削ることでエナメル質が薄くなり、冷たい飲み物や熱い食べ物の刺激が歯の内部に伝わりやすくなるためです。

ただし、削る量はごくわずかなので、強い知覚過敏が起こるケースはまれです。多くの場合、症状は数日から数週間で自然に落ち着いていきます。

もし症状が続く場合には、知覚過敏用の歯磨き粉を使ったり、歯科医院でフッ素塗布などの処置を受けたりすることで改善が期待できます。強い痛みや長引く不快感がある際には、早めに担当医へ相談しましょう。

虫歯のリスクが上がる可能性がある

歯を削ることで、理論上は虫歯のリスクがわずかに高まる可能性があります。エナメル質が薄くなることで酸への抵抗力が少し低下するためです。

しかし、削る範囲はエナメル質の表層に限られているため、適切な口腔ケアを行っていれば虫歯のリスクが大幅に増えることはありません。削った部分は再石灰化によって表面の強度が回復していくため、日常的なケアを続けることで健康を維持できます。

削る量や位置を誤ると審美性に影響が出る

歯を削る処置は繊細な技術を要するため、削る量や位置を誤ると審美性に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、不均等に削ると歯の形が不自然になったり、削りすぎると歯が小さく見えたりすることがあります。

このため、特に目立ちやすい前歯を削る際には、高度な技術と経験が求められ、理想的な歯の形態や大きさのバランスを考慮しながら、慎重に削る必要があります。

こうしたリスクを避けるためには、矯正治療の実績が豊富で、審美性にも配慮した治療を行う歯科医院を選ぶことが重要です。治療前には症例写真などを確認し、その医院の技術レベルを把握しておくと安心です。

削る処置中の不快感

歯を削る処置の際には、器具の振動や音が不快に感じることがあります。歯に触れる感覚や独特の音を苦手とする方も少なくありません。

しかし、エナメル質には神経が通っていないため、適切な範囲で削る限り痛みはほとんどありません。もし不安が強い場合は、事前に担当医へ伝えておくことで、リラックスした状態で処置を受けられるよう配慮してもらえます。

また、処置時間も短く、1本につき数分程度で完了するのが一般的です。強い不快感を覚えた際には、遠慮せず担当医に伝えることが大切です。

歯科矯正で歯を削る方法

ここでは、実際にどのような方法で歯を削る処置が行われるのかを解説します。

専用のヤスリや器具を使って歯の側面を整える

歯を削る際は、削る量や目的に応じて器具を使い分けます。代表的なのが、手用ファイルとディスク状の器具です。

手用ファイルは薄いやすりのような器具で、0.1〜0.2mm程度のごくわずかな削合に適しています。歯科医師が手作業で歯の間を研磨するため、削る量を細かく調整でき、熱もほとんど発生しません。

一方、ディスク状の器具とは、薄い円形状のディスクを機械に取り付けて回転させる方法で、0.2〜0.5mm程度のスペースを効率よく確保できます。短時間で処置が終わるのが特徴ですが、削りすぎを防ぐため保護具を使いながら慎重に行います。

削る量は診断に基づいて計算され、一般的には歯の健康に影響を与えない範囲である0.1〜0.5mm程度に設定されます。削る量がイメージしにくい方も多いと思いますが、紙一枚程度の厚みに近い、とても薄い範囲です。

歯の形を整え、滑らかに仕上げる

削った部分はそのままでは少しザラつきが残るため、最後に丁寧に磨いて滑らかに仕上げます。こうすることで舌触りやフロスの通りが自然になり、日常生活での違和感を減らすことができます。

さらに、研磨後には、処置後のリスクを抑えるためにフッ素を塗布する場合もあります。

まとめ

矯正治療で歯を削る処置は、必要な場合に限り、最小限の範囲で行われる安全性の高い方法です。スペースを確保したり、歯列のバランスを整えたりするために欠かせない場面があり、美しい仕上がりや後戻り防止にも役立ちます。

一方で、エナメル質が薄くなることや、口腔ケアの手間が増えるなど、注意すべき点もあります。処置の必要性は患者さまごとに異なるため、担当の歯科医師とよく相談しながら進めることが大切です。

この記事を参考に、矯正治療への不安を少しでも軽減し、ご自身にとって納得できる治療選択ができるように役立ててみてください。

矯正治療を検討されている方は、東京都港区「虎ノ門ヒルズ駅」より徒歩1分にある歯医者「虎ノ門ヒルズ駅前歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、妥協なき歯科医療を目指して幅広い治療に対応しています。虫歯・歯周病治療や精密根管治療、生体親和性、インプラント、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。

ホームページはこちら、WEB診療予約も受け付けておりますのでぜひご覧ください。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。